週刊イングレス・ジャパン

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神戸アノマリー・ミートアップ一問一答(2023年9月17日)


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2023年9月16日は神戸アノマリーが開催された日ですが、翌日の17日は頒布会やミッションデーが開催されました。

その頒布会が行われた、デザイン・クリエイティブセンター神戸の中でミートアップ(集会)が行われたので、出来る限りの内容を書き起こしてみました。

ミートアップの内容は、以下のYoutubeからもご覧いただけます。

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Niantic 8th Wall紹介

中島氏(ナイアンティック社)


レジスタンス陣営がポスターに活用したAR技術である8th Wallについて紹介したい。
イングレスやポケモンGoなどを支えるプラットフォームという技術がある。それは、LIGHTSHIP、8th Wall、SCANIVERSEの3つである。
LIGHTSHIPは、ARのために利用するVPSと呼ばれる技術を使ったツール。ポータルのデータもLIGHTSHIP上で扱っている。
8th Wallは、webARを提供するツール。
SCANIVERSEは、3Dデータスキャナのツール。

8th Wallを簡単に言うと、スマホのWebブラウザ上でAR体験を提供できるプラットフォームである。アプリダウンロードが不要なのが特徴。
https://www.8thwall.com
利用例としては、アメリカのピザハット社が作った、ピザハットのピザの箱の上でプレイ可能な、ARパックマンゲームが有る。
これはイメージターゲッティングという、特定の画像を捉えた時に体験できる機能。
サイトに8th Wallの事例集が多く掲載されているが、例えば、AIを使った画像生成を使ったモジュールが有る。
また、カメラで捉えた画像を分類識別する(人か、犬か、空か、など)モジュールも人気。
コードをコピペすれば、簡単に利用可能。
また、3Dのデータが必要であれば、SCANIVERSEというプラットフォームも有るので、活用して欲しい。
このSCANIVERSEは、物体を360度、一周回って撮影すると、すぐに3Dモデルデータを作成してくれる。出力ファイルも汎用的で豊富。


クリエイター・トーク

川島氏(Niantic社 副社長)
Brian氏(Niantic社 ゲームディレクター)
中島氏(Niantic社 神戸イベント諸担当・通訳)


Q1. イングレスを永続的にサービス提供していくためには、収益をより上げる必要があると思うが、どのような方策が有るか。
(Brian氏) サブスクリプションであるC.O.R.E.に、より多くのエージェントが加入すること。ユーザーが望むものを提供できれば収益は上がると思うので、ユーザーからインスパイアを受けて考えて行きたい。
(川島氏) ジョン・ハンケはイングレスを社内で誰よりも愛しているが、運営を続けていくためには継続的な収益を上げていくことが必要。
まずはユーザーを増やすことが重要だと思う。そのための議論を重ねている。
新規ユーザーがプレイしやすくなるよう敷居を下げたい。
また、リクルーターメダルを復活させることも考えられる。

 

Q2. 今回のアノマリーで初参加のエージェントも多いが、新規プレイヤー層にサブスクリプション加入を促せるのではないか?
(Brian氏) 実は、イベントごとにサブスクリプションの加入者は増えていっているというデータが有る。それはアイテム枠が必要だったり、先人の勧めがあるものだと考えている。


Q3. ユーザーにはクリエイティブな人も多い。例えば、8-Wallを利用したAR広告などが有った。どう思うか。
(Brian氏) 非常に素晴らしい。8th Wallを利用した有料の広告を駅に掲示するまでしてくれるのは本当に素晴らしいことだ。学ぶことが多いと痛感した。クリエイティビティはイングレスチームよりユーザーの方が高いので、今後も色々アイデアを頂きたい。
(川島氏) ささけんさんの「イングレ巣」は本当に素晴らしかった。AR広告も理想的な使い方で、8th Wallのメンバーも感動していた。ユーザー主導で広告が展開されたりクリエイティビティが発揮されていくのは本当に嬉しく、刺激になる。
(Brian氏) ARの世界から現実に、または逆に現実からARの世界に影響を与えられたら良いと思う。

 

Q4. ポータルスキャンの機能は、あまり活かされていないのではないか。
(Brian) 最近導入されたオーバークロックという機能は、ポータルスキャンのVPS技術を利用している。
これは、ユーザーが本当にその場所に居ることを担保・確認することに利用している。
また、スキャンしたポータルの周囲の3Dマップを作成することができる。
デッド・ドロップなどに活用するのも良いアイデアだと思う。
(川島) スプーファー(位置偽装)対策にも使用できる。また、実際にポータルからXMが噴き出してリンクが伸び、フィールドが作成されるような映像を作り出すことができる。
それが今後のイングレス、ポケモンGo、モンスターハンターNowにも利用される。

 

Q5. 来年も日本でアノマリーが開催されるか?(指摘あり修正)

(Brian) はい!


RedFactionについて

木下氏(近畿ブロック血液センター)


RedFactionと献血について紹介したい。
近畿ブロック血液センターは、2012年に設立された。
近畿2府4県の献血ルームや献血バスで献血して頂いた血液の、検査や血液製剤の製造を行ったり、受給管理をしている。
RedFactionとは、2014年の6月、ブラジルにて始まったのが始まり。
その後、ツイッター(現X)での主催者の呼びかけが大きな反響を呼び、広まっていった。
日本では2015年6月、関東と広島で、その後近畿でもRedFactionが広まっていった。
これまで13回開催され、4886名のご参加を頂いた。
記念品としてオリジナルBioカードを配布させて頂いている。
今回はRedFaction in 近畿を実施している最中なので、10月12日まで、是非参加して欲しい。
現在の状況はエンライテンドが96ポイント、レジスタンスが117ポイントと、拮抗している。
ツイッターなどで前胸を確認してみて欲しい。
参加者は近畿だけでなく、日本全国色々なところから来て頂いている。
イングレスのエージェントのコミュニティは患者様の支えとなっているので、是非今後も参加して頂きたい。
最後に、献血ってなあに、とお思いの方もいらっしゃるので、最後に献血×吉本新喜劇のコラボ動画を流させていただきたい。

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イングレスの未来

HiroT氏(ENL AG)
ねんこ氏(RES AG)
川島氏
Brian氏
中島氏
みなくちや氏(ENL 神戸アノマリーPOC)
エンライモン氏(ENL 神戸アノマリーPOC)
しんしょー氏(RES 神戸アノマリーPOC)
こまろく氏(RES 神戸アノマリーPOC)

 

Q1. 神戸アノマリーの反省点
(みなくちや氏) 普段は裏方だが、今回はPOCとして、アノマリーの盛り上げ方に苦心した。特に家族の参加を考える余地があり、家族向け観戦部屋を用意した。
(川島氏) いつも、私も家族に迷惑はかけている。みなくちや氏のお子様も、将来的にはエージェントになってほしい。
(ねんこ氏) こどもと一緒に参加できる取り組みは良いと思った。

 

Q2. 4名のPOCの活躍に対して、Niantic側の感想はあるか?
(中島氏) 個性のある4人のPOCの方々と活動できたことは良かった。感謝以外何もない。私たちも、お子様が楽しめるものを用意出来たら良いなと思っている。

 

Q3. POCからNiantic側への思うところは有るか?
(エンライモン氏) 慣れているので、いつも通りではあったが、中島氏の少数精鋭の手厚いサポートが有り、安心してPOCに取り組めた。

 

Q4. エージェントからの要望・公式の物販ブースが頒布会で有っても良いのではないか?
(Brian氏)良いアイデアだと思う。是非やりたい。パンクロックのライブでもTシャツを売っているように、見習いたい。
(川島氏) かつては公式でも出展していたが、諸事情で無くなっている。またやりたい。全てのSwagを集めたい。

 

Q4. 久々のアノマリーというイベントでの日本ユーザーとの対面はどうだったか
(川島氏) パンデミックを乗り越えた猛者たちが沢山いて元気を貰った。
(Brian氏) POCの皆様のおかげで開催できたと思う。本当に忍耐が必要であったことは理解している。何千人という日本のエージェントとのやりとりがあり、さらに世界中のエージェントが注目していたので、そのやりとりも大変だったろう。
私たちは、エージェントの皆様がアノマリーに参加しているのを見るのは楽しい。日本のアノマリーは、日本ならではのものであり、本当に独創的だと思う。今後は、日本のアノマリーをさらに拡大し、世界中のエージェントに日本に来てもらい、愛を感じて欲しいと思っている。

 

Q5. エージェントの要望・空港や駅に近いところで開催して欲しい。
(Brian氏) 良いアイデアだと思う。もっと沢山のエージェントに来てもらえると思うので。

 

Q6. エージェントの要望・クォンタムカプセル(培養カプセル)の復活を!
(Brian氏) ゲームバランスとして、時間が経つだけでアイテムが増えるのは良くないと考えていた。また、アイテム増殖の計算は非常にサーバーの費用的に負担となっていた。全てのエージェントのアカウント(休眠アカウントを含む)に対して、それを計算するのは大変だった。キネティックカプセルを導入したので、そちらを利用して欲しい。
ポータルキーもキネティックカプセルで増やせるようになるなどの検討の余地はある。

 

Q7. エージェントの質問・ミッション作成枠を増やして!サブスクリプションでも良いから。
(Brian氏) ちょっと難しい。単に数字の話だけではなく、技術的に限界がある。ミッション作成ツールは12年前に作成されたものだが、そこに限界が来ている。ただ、エージェントがミッションをすごく楽しんでいることを理解しているので、改善を検討しているところだ。

 

Q8. エージェントの提案・ユーザーが新訪問地を訪れた場合や、新規ユーザーがプレイを進めたときにリワードを付与してはどうか。ユーザーが増えるだろう。
(川島氏) 素晴らしいアイデアだと思う。新しい場所に行くと、私はまずイングレスを立ち上げるが、そこで何か得られるものがあると良いかもしれない。
(しんしょー氏) 呉で、以前に観光案内所でミッション達成画面を見せると、ステッカーを配布したことが有った。良いイベントだったと思う。
(エンライモン氏) キャンプファイアーのアプリ(プラットフォーム)を活かせないか。様々なNiantic製ゲームの相互交流などに活かせるのでは?
(川島氏) 非常にそう思う。是非、有効活用していきたいプラットフォームだ。エンライモン氏に助言して頂きたい。

 

Q9. エージェントの提案・健康維持を全面に押し出してはどうか。
(Brian氏) 健康促進は非常に重要なイングレスの要素だと思う。近所を歩く、交流するというのはイングレスの醍醐味だ。イングレスがなぜ素晴らしいかというと、コミュニティーが全世界的に発達していることだ。新規ユーザーが長くイングレスを続けられるか否かは、地元のコミュニティに入れるか否かだと思う。健康促進とともに、地元のコミュニティに分かりやすくアクセスできると良いと思う。
新しいユーザーがプレイするとトレーニングのログが出るが、先輩エージェントが声掛けをすれば良い。新規ユーザーはびっくりするかもしれないが・・・。
もう少し、イングレスのゲーム側で、新規ユーザーの心の準備が出来たら先輩方に話しかけられるような仕組みを用意したい。
やはり長く続けるには、コミュニティーと繋がるのが良いと思う。

 

Q10. コミュニティーは細分化されている。例えばキャンプ部とか。そこに新たな出会いが有り、人の輪が広がる。公式サイトでコミュニティーの宣伝が出来たら良いと思う。
(川島氏) ジョン・ハンケが言うには、イギリスでは「孤独担当大臣」というものが出来たという。孤独は人を不幸にし、精神的な健康を失う。孤独担当大臣のような取り組みは日本でも増えていくかもしれない。
精神的な健康のためには人の繋がりが大事であり、それによりメンタルの健康を取り戻していくことがある。イングレスのゲームを通してそれが実現することが、ナイアンティック社のチャレンジだ。

 

Q11. POCの方々は、新たな趣味がイングレスを通して広まったことはあるか?
(こまろく氏) 音楽制作を生業としているが、音楽のコミュニティーがイングレス関係のテレグラムグループにあり、影響を受けている。イングレスを通じて、別の線が繋がるようなことが有った。レジスタンス陣営のPR映像作成も、面白いと思ってもらえるものを制作し、ユーザー間で繋がりたいため。
(Brian氏) はじめてイングレスを世に出したときに、興味に基づいたSNSをどのように構築するか考えた。そこで、調査して分かったのは、ユーザー間で共通の他の趣味が有ったりする(スターウォーズや野球など)ことが分かった。当初はツイッターやRedditが既に有ったので、私たちはミートアップやアノマリーを始めることにした。
そのため、共通の趣味を見つけるのはオンラインの方が簡単かもしれないが、そのような人が家の近くに住んでいる可能性もあり、そのような人を見つけるのは簡単ではない。
イングレスはそのようなことを達成できる魔法である。
皆さんから聴けるたくさんの素敵なイングレスに関するコミュニケーションのストーリーは、とてもうれしいものだ。これはイングレスならではのものだ。
(ねんこ氏) 私の場合は、遠隔地の友人が出来たことが大変面白かった。あまり旅行しない性分だったが、新たな旅行のモチベーションが出来た。
(Brian氏) イングレスはただのゲームではなく、世界中のコミュニティーに所属できるツールだ。イングレスをダウンロードして隣町、隣県、他の国に行くと、その場所のエージェントとコミュニケーションできる。そのような素敵な体験ができるのは、エージェントの皆様が素敵だからだ。とても感謝している。
(HiroT氏) コミュニティーは、まだまだ広がっていると思う。
(川島氏) まさか鉄板を担ぐことになると初めから思っていたエージェントは少ないだろう・・・。

 

Q12. 次のアノマリーの日程は出ているが、場所はいつ決まるか?
(Brian氏) まだ分からない・・・。

 

Q13. マキナの今後のストーリー展開は?
(Brian氏) 神戸アノマリーの後に新たな情報が見つかった。マキナは減衰している。数週間の間、続くだろう。この間にどれほどマキナポータルやリンクが減るかに注目している。
ゲームデザイン的には、いつもちょっと新鮮な体験が有るように工夫している。
エージェントの皆様がどのようなゲーム上の行動をおこしていたり、ツイッターなどでの発言をしているかに注目している。実はかなりの量に目を通している。どうかフィードバックを欲しいし、意見をして欲しい。